フリースクールの支援の中には心理的支援も欠かせない。
具体的には当校では入寮した子供には「エゴグラム」と呼ばれる心の属性値をグラフ化する検査シートなど諸々を行なっている。

行う理由としてはそこからその子どもがどのような背景なのか、どんな特徴があるのかをつかみやすくするためだ。そうすることで支援員は子どもと接しやすくなり、手早く信頼関係が築けるようにもなる。

そこから垣間見えるのは、検査を行った子どもの性格や特徴だけではないのだ。その統計的なデータを眺めていると近代の社会情勢も見えてくるようになる。

不登校や引きこもりの子どもの中でこの3〜4年で増加しているのが「顔色を伺う子ども」である。

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顔色を伺う子どもとは?

顔色を伺う子どもの特徴は3種タイプある


上手にこの性質を使えているタイプ

・周囲に協調的に動く
・周囲によく協力する
・相手 指示を素直に受ける
・相手に順応する
・波風を立てないようにする

過剰に性質が色濃く出ているタイプ

・依存心が強くなることがある
・何に対しても遠慮がち
・すぐに妥協してしまう
・指示されたことしか出来ない
・我慢 反動が出る

性質が弱く出ているタイプ

・頑固にしている
・意地張りを通す
・言い出したら後に引かない
・人 意見 聞かない
・テコでも動かない


近年では上記に挙げた3タイプの中で最も多いのは過剰に性質が出ているタイプだ。
基本的に根が優しく、頑張り屋さんに多いが、その反面気が弱いところもある。
他人優位に動き、自分をないがしろにする。そして自分の思っていることをなかなか口にすることができない。
また、ストレスを抱えやすくさらにその発散も苦手である。
その反動で内弁慶的な要素もある。

 

顔色を伺う子どもの共通背景

カウンセリングを行っていると「顔色を過度に伺っているタイプ」の子どもの多くが家庭内で安心を得づらい状況下であった。子どもはどのように親のことを見ていたのだろうか?

・両親の喧嘩が多かった
・親が突然豹変するかのように切れる
・親の機嫌や情緒の浮き沈みが激しい
・自分がやりたいことを言うと良い顔をされなかった
・良い点が取れた時だけ褒めてもらえた
・良い行いをすると親が喜んでくれる
・親が決めたことをこなすことが良い行動
・親を喜ばせたかった
・何を考えずとも親が何でもやってくれた

などの共通した意見を口にするのである。
過度に顔色を伺う子は長期間ストレス化にも置かれているため心のエネルギーもとても低い状態が多い。自分から考えると言うよりかは「やること」や「必要なこと」は親が決めてくれるので、自ら考え出したり、発想する力も低かったりする。それが悪いと言うわけではないが、労働市場でも高い好成績を挙げている人は能動的であり、発想力も高く活躍しやすい。働く上で求められるスキルの1つであるコンピテンシーが高まらず仕事にもやりがいを感じずらくなってしまうのである。

コンピテンシーは大局的に物事を見て、今は何が求められているのだろうか?ニーズは何だろうか?どのロジックを組めば成功を収められるのだろうか?改善点は何だろうか?など考え行動に落とし込むスキルでもあり、発想力やさらに挑戦する向上心などが要素として大きく含まれている。

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過度な顔色を伺う子どもの懸念点

さて、顔色を伺う子どもの特徴と就労の関係まで飛躍してしまったが、話を戻しましょう。
心的な心配ですとまずはストレスを抱え込んでいることです。彼らは能動的ではなく反射的であるがゆえに相手を喜ばそうとする言葉を口にしようとします。しかし、これは本心ではないのです。人は本音や本当に感じたことを話すことにより心をスッキリさせる生き物です。そう、思ってもいない言葉を口にすればするほど、良い子を演じれば演じるほど心には澱みが溜まっていくのです。そして自分でも気づかないうちにストレス化に長期間晒されていた子どもが実に多いのです。

 

対 策

顔色を伺う子どもの多くが抱えている基本感情は「怒り」です。
・自分を責める
・相手を責める
人によってもちろん何を責めているかも多少異なりますが、大概の子どもは「どうしてこんなことも自分はできないんだ」「あ〜自分が情けない」などの衝動を心の中で沸騰させています。
(ちなみに非行の子どもの基本感情は「悲しみ」)

有効的な対策としては
・小さな喜びを噛みしめる
・他人優位ではなく自分優位にシフトチェンジする
・腹が立ったことを信頼できる人に思う存分話す
・音を出して解消する(バッティングセンターなど)
・のびのびと遊ばせる
・どちらが好きか選択させる
・自由なアイデアを賞賛するetc

これらの方策の中には本人自ら行うものもあれば、周囲の人間が行なってあげると良いものも混在しておりますので、自分ができそうなところから始めれば良いです。

これらを習慣や長期間続けるだけで子どもが本来持ち合わせている「自由な感情や発想力」を高め、逆に「顔色を伺う子ども」を特徴を下げてあげることができます。

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子どもも大人ものびのびすることってとても大事

そして、実はこれ子どもにだけ当てはまるものではありません。
顔色を伺う「子ども」と記されているだけであり、これは単なる属性の1つにしか過ぎません。つまりは大人にも当てはまることなのです。

自分の心の属性を知ると言うことは、過去を知り、未来に向けて今後どう在りたいかを知る機会でもあります。

ぜひ、皆さんもお暇な時がありましたらエゴグラムをやって見てくださいね!
そして、施行後、きちんとプロにフィードバックをもらってくださいね。