伊藤幸弘塾では、食育を大切に考えています。円卓を囲むことで会話が生まれ、

美味しいという味覚も刺激され、家庭的なぬくもり溢れる食卓の中で生活することによって、

子どもたちも人間的に成長出来ると考えています。

不登校・ひきこもりの生徒たちは、食が細い子も多く、

寮に来る前は体重30㎏前半の子もいました。

「好きな食べ物は?」と聞いても、すぐに答えられない子。

「食事」に興味関心がなかったようです。

また、人前で食事が出来ない子もいましたが、

すぐに一緒に食事出来るようになりました。

それでも、子どもたちの食の好み、好き嫌いがありますし、

少しずつ生活習慣の改善をしていることもあり、

ご飯をおかわりするまでの食欲がなかったり、

日々の生活の中でメンタル的な要因で食欲が下がる時もあります。

そこで、フリースクールでは、食事をバイキング形式にしてみました。

フードウォーマーを使用することで、さながらホテルビュッフェの様子になっています。

すべて同じ量で同じ数のおかずを受動的に受け入れて食事をするというスタイルでなく、

子どもたちが、自主的に、能動的に、おかずの量など選択出来ることによって、

それぞれが楽しんで食事で出来たようです。

 

ひきこもりの子の中には「自分で決めることが出来ない子」がいます。

それは、親御さんによる過干渉の問題とも関わりがあるようです。

愛するがゆえに親御さんは過干渉になり、子ども自身が選択する機会を失わせてしまい、

自分で考えて決断することが苦手になってしまいます。

もちろん、子どもの性格的な問題として、

様々なことを複合的に考えて決めかねる時もあるかと思いますが、

この「自分で考えて選択する力」は、フリースクールの寮生活のあらゆる場面で

「自分は、こうしたい!」という気持ちを育むこと、

これが子どもの自立へつながっていくことでしょう。

寮生活では、親元を離れた集団生活の中で、日常生活の1つ1つのことが、

子どもたちにとっての成長の場になっています。

メンタル面で繊細な子が多いですが、そうは言っても、

まだまだ素直さを感じる子どもらしい子たちばかりです。

温かな食事、栄養たっぷりの野菜や肉料理を採り入れ、

家庭的な愛情いっぱい溢れる幸せな食卓(円卓)を囲んで、

食べ盛りの少年らしく、日々過ごして欲しいと願っています。