リスタスクールです。
今回は10月に行なった
プログラムの一部をご紹介します。
リスタスクールでは運動、美術、思考など
さまざまな分野に触れ、興味や関心を広げられる
日替わりのプログラムを計画・実施しています。
まずは屋外運動『サッカー』です。
秋晴れの青空の下、
人工芝のグラウンドをお借りして実施しました。

グラウンドに着くと子どもたちの表情もいつもより開放的。
整列して、その日の流れとルールの説明を聞きます。
「早くボールを蹴りたい」
そんなソワソワした空気が、後ろ姿からも伝わってきます。

まずは練習です。
ボールを蹴る、止める、パスをつなぐ。
基本的な動きから、ゆっくりスタートしました。
思いきり足を振り抜く子。
ボールの感触を確かめるように、丁寧にパスを出す子。


最初は少し緊張した様子だった子も
ボールに触れているうちに表情がほぐれ、
気づけば自然と声が出るようになっていました。
サッカーが好きな子は寮にも多く
普段から「サッカーやりたい!」という声が聞かれます。


この日をとても楽しみにしていた子どもたちでした。
そして次はチームに分かれての試合形式です。

赤いビブスをつけた子どもたちが
コートに散らばります。
「ナイス!」
「こっち!」
「パス!」
コートのあちこちから、元気な声が飛び交います。



ボールを持てば、相手をかわそうとドリブルで駆け上がる。
ボールを持っていない子も、空いている場所へ走って声をかける。
「次どこ行く?」
「そっち守って!」
試合が進むにつれて、自然とお互いに声をかけ合い
作戦を立てながらプレーする姿が見られました。

ゴールキーパーに挑戦した子は
本格的なグローブをつけて真剣な表情です。
ボールを両手でしっかりと抱え、次の味方へつなぎます。
仲間から「ナイスキーパー!」と声がかかると
少し照れくさそうな笑顔も。
接触して転んでしまった仲間がいれば
すぐに駆け寄って手を差し伸べます。
「大丈夫?」
「ありがとう」


ゴールが決まれば、肩を組んで大喜び!
プレーが終われば、笑顔で肩を叩き合います。
太陽の下で思いきり体を動かし
仲間と勝って喜び、負けて悔しがる。
こうした時間には、単に運動を楽しむだけではない
さまざまな成長のきっかけが詰まっています。
日光を浴びながら体を動かすことは
心身のリフレッシュにつながり、
夜の睡眠や生活リズムを整える上でも大切な習慣です。
「パス!」「こっち!」と声を出し合ううちに
人と関わることへの自信も、少しずつ育まれていきます。
チームでプレーするためには
周囲の動きを見ながら自分の役割を考えたり、
仲間と協力する力も自然と身についていきます。
そして勝った喜びや負けた悔しさを仲間と共有する経験は
自分の感情と向き合い、気持ちを切り替える力を育むきっかけにもなります。
不登校を経験する中で、外に出る機会や
人と関わる時間が少なくなってしまう子どもたちも少なくありません。
だからこそ、仲間と声を掛け合いながら
夢中になって体を動かせる環境をつくること。
私たちは、こうした日々の何気ない活動も
子どもたちが自信を取り戻し、
次の一歩を踏み出すための大切な時間だと考えています。
続いては、美術プログラム『ビー玉アート』です。

絵の具をつけたビー玉を転がして
紙の上にさまざまな模様を描いていきます。
まずは白い紙の上にスプーンですくった黒い絵の具を垂らし
ビー玉をそっと置いたら、いよいよスタートです。


「どう転がそうかな」
「もう少し傾けたらどうなるだろう」
額を両手で持ち、少しずつ傾けながら
転がるビー玉の動きを真剣な眼差しで追いかけます。
勢いよく傾けると、ビー玉は紙の上を一気に走り抜け
ゆっくり傾けると、細く繊細な線を描きます。
思い通りに進まず、「あっ!」と声が出てしまう場面も。
でも、そんな予想外の動きも
このアートの面白さのひとつです。


ビー玉が通った跡は
黒い線となって紙の上に残ります。
同じ道具を使っているのに
出来上がる模様は一人ひとり違います。
大胆に線を走らせる子。
ゆっくりと丁寧に線を重ねる子。
それぞれの個性がそのまま作品に表れていきます。
そして絵の具が乾いたら次の工程へ、
できあがった線をヒントに
色鉛筆で色を加えていきます。



「ここは何に見えるかな」
「この線を生き物の体にしてみよう」
線の中から動物や形を見つけ出し
一本一本、色を丁寧に重ねていきます。

偶然できた線が色を加えることで
世界に一つだけの作品に生まれ変わっていきます。
完成した作品を手に持つ子どもたちは
どこか誇らしげな表情です。





「これ、〇〇に見えない?」
「いいね!」
お互いの作品を見せ合いながら、自然と会話も生まれます。
美術には「正解」がありません。
だからこそ、上手・下手にとらわれず
自分の感じるままに表現することが大きな魅力。
ビー玉の動きに集中し
次はどんな線になるのかと想像を膨らませながら
夢中になって作品づくりに取り組む。
そんな時間は、集中力や創造力を育むきっかけにもなります。
また、自分とは違う発想や表現に触れることで
一人ひとりの個性や価値観を認め合う経験にもつながります。
「こんな作品ができた!」
「その発想、面白いね!」
自分らしく表現し、それを周囲に受け止めてもらえること。
こうした経験の積み重ねが、自分自身を肯定する気持ちや
新しいことに挑戦する自信につながっていくのです。
そして最後は『写経』です。
今回は、その名も『限界突破プログラム』!!
ただ静かに字を写すという
集中力と忍耐力が求められるプログラムです。
まずは写経の意味についての説明から。
その後、自分たちが使う机と椅子を
丁寧に拭く「お清め」を行いました。



黙々と机や椅子を拭いていく子どもたち。
スタッフも一緒に、場の空気を整えていきます。
その後は読経を行い、いよいよ写経の開始です。
細かな文字を一文字ずつ丁寧に書き写していきます。


教室はしんと静まり返り
ペンを走らせる音だけが響きます。
普段の賑やかなプログラムとは一転して静かな時間が流れます。
子どもたちにとっては
なかなか根気のいるプログラムです。

それでも前半は、ほとんどの子が無言で
自分の紙と真剣に向き合っていました。
後半になるとさすがに少しずつ集中力が途切れてしまう場面も。
そこで、スタッフの読経を聴きながら取り組むなど
雰囲気に変化をつけながら進めていきました。


長時間集中し続けることは
大人にとっても簡単なことではありません。
それでも、途中で投げ出すことなく
最後まで書き終えることができました。
写経は、ただ文字を書き写すだけの活動ではありません。
単調な作業を繰り返す中で、集中力が途切れたり
途中でやめたくなったりすることもあります。
そんな自分の気持ちと向き合いながら、目の前のことに取り組み続ける。
そこに、このプログラムの大きな意味があると考えています。
日常生活や学校生活では
自分の好きなことや得意なことばかりに取り組めるわけではありません。
時には苦手なことや
思い通りにいかないことにも向き合う必要があります。
だからこそ、こうした少し負荷のかかる活動を通して
気持ちをコントロールする力や忍耐力、
物事を最後までやり遂げる力を少しずつ育んでいきたいと考えています。
サッカーでは仲間と声を掛け合い
美術では自分らしさを表現し、
写経では静かに自分と向き合う。
動と静、さまざまな経験ができるのも
リスタスクールのプログラムの魅力です。
そして、これらを寮で共に生活する仲間と
一緒に体験できることも成長に繋がります。
一人では不安で踏み出せないことも
仲間やスタッフと一緒なら挑戦できる。
誰かが頑張る姿に刺激を受け、自分もやってみようと思える。
そんな日々の関わりの中で得られる
小さな成功体験の積み重ねが
子どもたちが次の一歩を踏み出すための
大切な力になっていくと考えています。
これからもさまざまな活動や日々の寮生活を通して
一人ひとりのペースや個性を大切にしながら
子どもたちの新しいスタートを全力で後押ししていきます。


