リスタスクールです。
本日は先日のプログラムで行なった
”アンガーマネジメント”の様子をお届けです。
アンガーマネジメントとは・・・
怒り(イライラ・攻撃衝動など)の感情とうまく付き合い
コントロールするための心理トレーニングのことです。
子どもたちの中には、
入寮前はイライラをコントロールできず
物に当たったり、家族の空気を乱してしまったり
時には家庭内暴力にまで発展してしまう場合も。
怒りの捉え方や扱い方を知ることは
家族間、集団生活の中でのトラブル予防や
自分の気持ちを大切にするための
とても大事な力につながります。
今回はそんな負の感情を
楽しみながら学べる内容で計画しました。
まずは1時間目。

アイスブレイクも兼ねて
アンガーマネジメントカードを使ったゲームからスタート。
日常で起こりうる「イライラ場面」が書かれたカードを引き
その怒りを 10段階中どれくらいの温度で感じるか? を本人がイメージします。
それを周りのメンバーが当てて得点を競うゲームです。


自分の怒りの温度を知るだけでなく、
「この子はその出来事をこんなふうに感じるんだ」
「思っていたより温度が高い(or 低い)んだ」
とお互いの感じ方の違いを知るきっかけになります。


予想以上に盛り上がり、
楽しみながらも自然と“相手理解”が深まる時間になりました。
続いて2時間目。
後半はテキストワークを用いて
怒りの基本となる考え方を学びました。
怒りを「温度」と「仕分け」で整理し
自身と向き合う時間としました。


まず、自分が最近感じた怒りを思い出し、
「10度中何度くらいの怒りだったのか?」 を書き出します。
次にその怒りを、
• 許せること
• まぁ許せること
• 許せないこと の3つに仕分け。
この作業を通して、
子どもたちは自分の怒りの癖や価値観に気づくことができます。
特に「許せない」と感じた怒りについては、
「なぜそれが許せないのか?」
「自分の中のどんな大切なものが傷つけられたのか?」
という背景にも目を向けました。
そして最後に発表と対話の時間です。
全員で発表をしながら、
「その温度設定は適切かな?」
「別の見方をしたら温度が下がることもあるかも」
といった対話を積み重ね、
“怒りの温度”を調整する力を身につけます。


意見を聞くうちに、
「これは許せないと思っていたけど、
まぁ許せるに変えてもいいかもしれない」
と怒りの“仕分け”を柔軟にし
感情の扱い方が整っていく様子も見られました。
また、似た体験を持つ子同士が
「わかる!」「自分も同じだった」と共感し合い
自然とピアサポートが生まれていたのも印象的でした。
こうしてこの日のプログラムは終わり。
2時間の中で”怒り”の感情と向き合い、
それぞれが整理と学びを得られる時間だったと思います。
怒りは悪いものではなく、
“自分の大切なものを守るためのサイン” でもあります。
だからこそきちんと怒りの気持ちを
コントロールし、相手に伝えることが大事。
今回のプログラムでは、怒りを否定するのではなく、
どう扱えばよいか、どう伝えればよいかを学びました。
リスタスクールでは、
こうした自宅ではなかなか冷静に話しにくい感情も、
仲間と一緒だからこそ安心して向き合えたり、
「わかるよ」「自分も同じだった」と
自然に支え合える雰囲気が生まれることを大切にしています。
これからも、子どもたちが自分の感情を言語化し、
他者と共有しながら成長していけるよう、
“学び”と“笑い”の両方がある安全な場を提供していきたいと思います。


