「何んで行きたくないの?」と聞くと「友達がいない」と言いました。

2つの小さな小学校がくっついただけの中学で半数は知った子達。

小学生のころは帰宅後時間があればすぐに遊びに行っていた息子が、「友達?」と驚きました。
「いじめられているわけではない」「人とどうやって接すればいいかわからない」と言いました。

学校では、休み時間にクラス遊びをしたり、話しやすい子を同じ班にするなど対応はしてもらいましたが、久しぶりに行った音楽の授業参観日、両手を強くにぎりしめ、下を向いてカチカチに萎縮している息子の姿を目にし涙が出ました。

これが(もう学校に行かしてはいけない)と思った日でした。

私は様子がおかしくなった辺りからネットでいろいろ勉強するようになり、伊藤先生に出会いました。

「子供の問題行動は親の過干渉。」
「過保護と過干渉の違い」
「子育てとは無償の愛。子供は親の所有物じゃない」

伊藤先生のDVDで勉強し、しみじみと自分のやってきた子育ての間違いに気づき、伊藤塾でお世話になることを決めました。

初めは、訪問コースでお願いしました。

親や学校の先生には話せない話を聞いてもらって、心が開いていったらいいなあと思ったからです。

本人には何も伝えずに突然来たものですから佐野さんが帰られた後には泣いて怒りました。

ですが、さすが何人もの子供の心を開いてきたプロ。次に会った時には何も嫌がらなかった事におどろきました。

何度か訪問していただいていた中、親元を離れて仲間たちと生活を共にしている子供達の話や写真を見せてもらったときに「自分も行ってみたい」と話したと聞いた時は本当におどろきました。

全く家から出なかったあの子が?と。(これは一歩踏み出すチャンスだ!)と思い話を進めることにしました。あの子もここから抜け出したいと思ったのかな。

親の心配もおかまいなし、「いつ行ける?」「本当に行っていい?」これで決心が付きました。

行った後は、定期的に子供の様子やエピソードを教えてもらったり、写真も送ってもらっていたので、楽しく生活している事もわかり、安心できたことに感謝しています。

離れてみて改めて、子育てについて考える時間がもてました。息子が帰って来て、どのように接して行けば良いかも考えました。口先だけや上っ面だけではやっていけない事はわかっていたからです。

自分で勝手に描いていた固定概念や、不安や心配事を子供にぶつけて窮屈な生活をさせていた事にも気づくことができました。

寮卒業の日は、見違える姿の息子を見ることができました。顔をくもらせ笑わなかった息子が目をキラキラさせて、帰る間ずっと寮での楽しかった話をしてくれました。

帰って来て、一番変わったと思った所は、自分の意志をはっきり伝えられるようになった所です。こちらが「こうしたら?」「こういうのもあるよ」と言っても「いや。僕は決めたから」「それはしたくない」とYesNoがはっきりしていて、こちらも「それならそうしよう」と言う他ありません。

家族間でも一番年下の息子を以前は子供扱いしていたように思います。今ではみんな同等。

お互いの意見を認められる存在になりました。

行く前までは、「僕は自分お気持ちを言葉にできないんだ」と言っていたことは思えないくらいの成長ぶりです。本当に強くなったなあと思わせてくれています。

まだまだ私自身不安も感じる事もあり、変わり切れているかと言ったら毎日が修行の身で帰ってからも何度も佐野さんにアドバイスをいただいては、子供との向き合い方を勉強中ですが、まずは明るく楽しい家庭づくりを心がけています。

家に帰ってきてホッとできるような、家族みんなが笑顔で生活できたらいいなと思っています。

こころから、伊藤塾に出会えてよかったと感謝しています。そしてこれからもよろしくお願いします。